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- タイ10-12月期GDP:前年同期比▲9.0%~大洪水は当初の予想以上に深刻
■見出し
・洪水被害は当初の予想以上に深刻
・現在、復旧も順調に進んでいる
■introduction
タイの国家経済社会開発委員会事務局(NESDB)は2月20日に2011年10-12月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で▲9.0%となり、2011年後半に発生した大洪水の影響により成長が大幅に悪化した(7-9月期は同+3.7%)。この結果、2011年通年では前年比+0.1%となり、ほぼゼロ成長となった。また、10-12月期の成長は前期比年率(季節調整値)で▲10.7%であった。
成長の内訳を需要項目別に見ると(図表1)、すべての項目が前年同期比で減少している。なかでもとりわけ外需の低迷は著しく、輸出が前年同期比▲6.5%と減少する一方で、輸入は同+2.9%と増加したため、純輸出では成長への寄与で▲6.1%ポイントと大幅なマイナスを記録した。内需についても、個人消費が前年同期比▲3.0%、政府消費が同▲3.1%、投資が同▲3.6%とすべての項目でマイナス成長となった。
供給項目別(図表2)に見ると、成長の原動力である製造業が前年同期比▲21.8%と急減速しており、これが成長停滞の主因であることが分かる。製造業がGDPに占めるシェアは39%と大きく、サービス業のうち金融業など一部では前年同期比でプラスを維持したものの 、成長の下支えとはならなかった。
通年でほぼゼロ成長という結果は、昨年後半から今年前半に予想されていた数値より悪く 、洪水被害が予想以上に深刻だったことを端的に示す結果となった。
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