2012年01月31日

雇用関連統計11年12月~労働需給の改善傾向が鮮明に

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・失業率は前月から0.1ポイント上昇の4.6%
・労働需給の改善傾向が鮮明となるが、地域間のミスマッチが残存

■introduction

総務省が1月31日に公表した労働力調査によると、11年12月の完全失業率は前月から0.1ポイント上昇し4.6%となった。労働力人口が前月よりも1万人増えるなか、就業者数が3万人の減少となったため、失業者数は前月に比べ3万人の増加となった。失業者の内訳を求職理由別に見ると、勤め先や事業の都合などによる非自発的な離職による者が前月から2万人減少する一方、自発的な離職による者が前月よりも4万人増加した。失業者数は2ヵ月連続で増加したが、そのほとんどが自発的な離職による者であり、失業の中身がそれほど深刻化している訳ではない。
厚生労働省が1月31日に公表した一般職業紹介状況によると、11年12月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント上昇し0.71倍となり、先行指標の新規求人倍率は前月から0.04ポイント上昇の1.22倍となった。新規求人倍率はリーマン・ショック前(08年8月)に並ぶ高水準となった。労働市場の需給関係を反映する有効求人倍率は東日本大震災後も大きく悪化することがなかったが、ここにきて改善傾向が一段と鮮明となっている。
新規求人数を地域別に見ると、直接の被災地である東北地方では、震災が発生した3月は大きく落ち込んだものの、4月以降は復旧、復興に向けた求人増を背景に全国を大きく上回る高い伸びを続けており、11月は前年比39.1%となった(全国:同14.4%)。ただし、東北地方の新規求職申込件数は全国と同程度の減少が続いているため、就職件数は求人数に比べると低い伸びにとどまっている。労働需給は全体としては明確に改善しているが、被災地域の求人増が必ずしも実際の就職に結びつかないという地域間のミスマッチの問題は残存している。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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