2011年10月28日

不動産クォータリー・レビュー 2011年第3四半期 -ようやく下げ止まった東京都心のオフィス賃料

松村 徹

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■見出し

1.経済動向と住宅市場
2.地価動向と不動産景況感
3.不動産サブセクターの動向
4.不動産投資市場・J-REIT市場
5.東日本大震災の不動産市場への影響

■introduction

ニッセイ基礎研究所は、2011年度の実質GDP成長率を0.2%、2012年度を2.1%と予想している。サプライチェーン復旧や生産活動の回復から景気はすでに東日本大震災後の最悪期を脱し正常化に向かっているものの、海外経済・金融不安と円高が懸念材料である(図表-1) 。
2011年8月の新設住宅着工戸数は、8.2万戸(年率93.4万戸)、前年比14.0%と震災にもかかわらず5ヶ月連続で増加した(図表-2)。内訳をみると、分譲マンションが5ヶ月連続、貸家が3ヶ月、持家が2ヶ月連続でそれぞれ増加している。今後も低金利が続く上、住宅エコポイントやフラット35Sなどの優遇措置復活で着工戸数は堅調に推移すると予想される。
8月の首都圏のマンション供給実績は2,306戸、前年比1.7%と3ヶ月ぶりに増加した(図表-3)。震災後、売り手が供給を絞り込む一方、買手も買い急ぐことがないため需給バランスは均衡しているとみられる。野村不動産アーバンネットの7月調査では、住宅購入検討者が購入時に重視するようになった条件は、「地盤」84.5%、「建物構造(耐震性など)」77.4%が上位で、「防災対策の充実」32.9%、「交通アクセス(通勤・通学時間等)」32.7%が続く。
8月の東京圏中古マンション成約件数は、6ヶ月連続で前年比減少、在庫も増加傾向にある。

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松村 徹

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【不動産クォータリー・レビュー 2011年第3四半期 -ようやく下げ止まった東京都心のオフィス賃料】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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