2011年10月28日

2012年度予算の展望~当初予算の規模は過去最大に

  桑畠 滋

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  • 2012年度の概算要求額は98.4兆円となり、2011年度当初予算を6兆円程度上回り過去最大となった。来年度から新たに設置される日本再生重点化措置(以下、特別枠)が7,000億円の枠に対し2兆円程度、東日本大震災からの復旧・復興対策に係る経費が3.5兆円となったことなどが概算要求総額を押し上げた。

  • 政府は、2012年度の当初予算を中期財政フレームの枠内へ抑制することを意図しているが、海外経済の減速を背景に税収の伸び悩みが懸念される中、歳出総額をどの程度まで縮小できるか予算編成に向けての焦点となろう。本稿では概算要求をもとに当初予算の編成に向けての論点を整理のうえ、来年度当初予算の規模について考察することとした。

  • 基礎的財政収支対象経費(復旧・復興対策に係る経費を除く)については、特別枠の絞込みを中心に歳出大枠の71兆円以下まで抑制することとなるが、昨年度の「元気な日本復活特別枠」の当初予算が概算要求段階の枠を大きく上回ったように特別枠の絞込みは一筋縄では進まない。一般歳出についても、削減余地が乏しく、中期財政フレームで定めた歳出大枠71兆円以下への抑制に向けて、政府は非常に難しい決断を迫られるだろう。

  • 2012年度当初予算(復旧・復興対策に係る経費を除く)の規模は、基礎的財政収支対象経費が昨年度程度への抑制が実現するものと想定されるが、利払い費の増加に伴い国債費が増加することなどから93.3兆円と昨年度を上回り過去最大を更新する可能性が高い。

  • 来年度当初予算での一般会計税収は41.5兆円と、法人税率引下げの影響などから11年度(当初予算)からの伸びは0.6兆円程度と限定的になることが予想される。中期財政フレームで定めた新規国債44兆円以下への抑制に向けては、昨年度の7.2兆円を上回る規模の税外収入が必要となる公算が大きい。

  • このため、2012年度は非常に困難な予算編成を強いられることとなるだろう。中長期的に見ても年を追うごとに予算編成の厳しさが増していく可能性が高い。政府は、2010年代半ばまでに消費税率を段階的に10%まで引き上げる方針を示しているが、それだけでは財政再建が進まないことは明らかで、今後は消費税引き上げなどの歳入の増加と合わせて、社会保障関係費の抑制についても真剣に取り組まざるを得ないものと考えられる。

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