2011年10月24日

成長型長寿社会とシルバー・イノベーション

生活研究部 主任研究員   前田 展弘

文字サイズ

■見出し

1--------はじめに~「危機の中の危機」からの打開に向けて
2--------成長型長寿社会の実現に向けたシルバー・イノベーション
3--------シルバー・イノベーションの実現に向けて

■introduction

90年代初頭(1991年)のバブル崩壊から20年が過ぎた。この間、回復の兆しが見えない経済、拡大し続ける財政赤字、グローバリゼーションの中で後退する日本の存在感といった様々な負の要因を背景に、かつて“Japan as No.1”(1979年)と称されていた日本の輝きと自信は完全に姿を消していた。日本全体に漂う閉塞感も年を経る毎に増してきたなかで遭った東日本大震災。まさに日本社会の危機的状況の中で生じたさらなる危機である。今の日本は、東日本の復興を最優先に成し遂げるとともに、震災前から直面していたあらゆる課題の解決に改めて立ち向かっていかなければならない状況にある。
こうした中で内閣府の新成長戦略実現会議においては、震災からの復興と震災前からの課題への対応をはかる日本再生に向けた戦略構築の議論が進められており、2011年内にその具体案が提示される予定である。8月に公表された「日本再生のための戦略に向けて(中間的整理)」においては、戦略方針の柱として、(1)革新的エネルギー・環境戦略、(2)空洞化防止・海外市場開拓 、(3)国と国との絆の強化 、(4)農林漁業再生、(5)成長型長寿社会・地域再生の5つが掲げられている。
いずれも極めて重要な課題ではあるが、特にジェロントロジーとも密接なテーマである(5)成長型長寿社会・地域再生(以下、成長型長寿社会戦略と称する)については非常に興味深い。周知のとおり、日本は世界が羨む長寿大国であり、世界で最も高齢化の進んだ高齢化最先進国である。人口の高齢化は21世紀のグローバルな人類的課題の一つであり、その先頭を歩む日本の動向は世界から常に注目されている。日本が超高齢・長寿社会のモデル国家となれるのか、反面教師になってしまうのか、日本はその岐路にも立たされている。
本稿では、成長型長寿社会戦略の側面から日本の再生に向けた道筋を見出すべく、戦略の一部として示された「シルバー・イノベーション」の具体展開にあたって参考にしていただきたい取組視点をいくつか示していきたい。

41_ext_01_0.jpg

生活研究部   主任研究員

前田 展弘 (まえだ のぶひろ)

研究・専門分野
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)、超高齢社会・市場、QOL(Quality of Life)、ライフデザイン

レポート

アクセスランキング

【成長型長寿社会とシルバー・イノベーション】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

成長型長寿社会とシルバー・イノベーションのレポート Topへ