2011年10月07日

10月日銀決定会合:現状維持、被災地金融機関向けの資金供給オペを延長

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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■見出し

・10月6-7日決定会合:いくつか気になる文章の変更

■introduction

日銀は6-7日に金融政策決定会合を開き政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0-0.1%程度に据え置き(全員一致)、総額50兆円の基金創設による各種金融資産買い入れにも変更はなかった。
10月末で期限をむかえる被災地金融機関向けの資金供給オペについて、6ヶ月延長し2012年4月末とすることを決定。さらに被災地の企業などに関する担保要件の緩和措置についても適用期限を6カ月延長し、2013年4月末までとした。
予想通りの現状維持であった。白川総裁は、最近の会見などで、8月の緩和策について「さまざまな不確定要因を前広に取り込んだ思い切った措置」、9月現状維持となったことについて「決定しなかったとの意識はない。強力な金融緩和をまさに推進している」と強調していた。株価は年初来安値をつけるなど不安定な動きを示し、また欧州問題は解決の糸口がまったく見えない状況は変わらないが、足元何かが急激に悪化、金融市場が底抜け・溶けそうな事態ではない。また9月短観でも企業の底堅さが示されており、今回動く必要なしとの判断になったのだろう。
ただし、次回決定会合(10月27日)は追加緩和の可能性はある(筆者は追加緩和実施を予想している)。次回は展望リポートが公表される。7月時点から実質成長率とコアCPIの見通しを海外要因から下方修正し、景気シナリオも下方修正すると予想される。その際日銀が「下方修正をしたら、追加緩和もセットでしなければいけないか?」の判断が必要になり、セットという流れになれば追加緩和につながる。

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総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

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