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- 米9月ISM指数:製造業・非製造業指数とも50台を維持
■見出し
・製造業指数は51.6、非製造業は53.0、ともに市場予想は上回る
・製造業各指数では、受注指数が3ヵ月連続で50を下回る:各指数別の動向
・非製造業各指数では、雇用指数が約1年ぶりに50割れに
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数では、9月製造業指数(PMI)が51.6と前月(50.6)比で1.0ポイント上昇、市場予想(50.5)を上回った。前月まで連月で低下、製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50に急接近しており、一息入れた形となった。
PMIは、金融危機後の2008年12月に33.3とリセッション後のボトムを記録した後、2009年8月には50を回復、今回で50越えは26ヵ月連続となる。ただし、4月までは4ヵ月連続で60台の高水準を維持していたことを考慮すると、最近の景況感水準の低下は大きい。
なお、9月のPMIを除く製造業10指数の動きを見ると、6指数が上昇、3指数が下落となった。また、発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は42.5であり、9月水準(51.6)は実質GDPの年率3.2%に対応する水準としている。
一方、9月非製造業指数(NMI)は53.0と前月比▲0.3ポイント下落したものの、市場予想(52.8)は上回った。4月以降53前後の狭い範囲で横ばい的な動きが続いているが、非製造業の業況の分かれ目となる50は22ヵ月連続で上回った。9月のNMIを除く10指数の動きを見ると、4指数が上昇、6指数が下落した。NMIを構成する4指数(事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延)では事業活動と新規受注が上昇、そのほかの指数では、受注残と在庫センチメント指数が上昇、指数全体での最高値は価格指数の61.9、最低値は輸入の47.5だった。
製造業(PMI)と非製造業(NMI)の動きを比較すると、2009年7月以降はPMIがNMIを上回って推移しており、製造業のセンチメント回復が先行していた。これは、非製造業指数には住宅バブル崩壊や金融危機等の影響が大きい金融、不動産・建設、個人消費関連産業等が含まれることにもよるが、今年5月にはほぼ2年ぶりに製造業が下回り、7月以降は3ヵ月連続で製造業が下回るなど、今回の減速下では製造業のセンチメント悪化が先行した形となっている。
なお、ISMに寄せられた回答には、製造業では、事業が停滞気味、需要が弱い、とのコメントの他、日本のサプライチェーン問題は収束したが為替と原材料価格が利益を圧迫(輸送機器業)と言ったものも見られた。また、非製造業でも、次に何が起こるか注視している、景気改善の兆候は無い、とするものなど先行きへの警戒等を示すものが多くなっている。
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土肥原 晋
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