2011年09月20日

資金循環統計(11年4-6月期)~個人金融資産は前年比18兆円増の1491兆円

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■見出し

・個人金融資産残高(2011年6月末):5四半期ぶりの前年比プラスに
・フロー(時価変動を除いた流出入額)の基調: 流動性預金への一極集中が加速
・部門別資金過不足等: 海外部門の国債保有がますます増加

■introduction

2011年6月末の個人金融資産残高は、前年比18兆円(1.2%)増の1491兆円となった。前年比での増加は5四半期ぶりとなり、残高はリーマン・ショック後では最高となった。一年間での時価変動の影響は0.2兆円とほぼニュートラルであったが、フローの資金流入が17.5兆円あった。
四半期ベースでは、前期(2011年3月)末比で10兆円の増加となった。4-6月は一般的に賞与の支給月を含むことから例年フローで流入となる傾向があり、今回も資金流入14兆円が時価の減少4兆円を上回った。時価減少の内訳は、株式、投資信託、対外証券投資がそれぞれ約1兆円減少しており、株安や円高が幅広く響いた形になっている。一方、現預金残高は829兆円と過去最高を更新、家計のリスク回避姿勢が鮮明になっている。また、被災者への義援金や保険金支払いも影響しているとみられる(図表1~4)。

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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