2011年09月09日

9月ECB政策理事会:不確実性と下振れリスクを強調、利上げ停止を示唆

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・政策金利は据え置き、非標準的手段も現状維持
・景気、インフレのリスク・バランスを修正、利上げは停止
・財政問題の金融、実体経済への影響を注視の構え、次の一手の方向性は明言せず

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は8日に9月の政策理事会を開催、政策金利の据え置きを決め、非標準的手段についても現状維持を決めた。
景気については「緩やかな拡大」という見通しを維持したもののリスク判断を「バランス」から「下向き」に、インフレ・リスクの判断は「上向き」から「バランス」に修正、利上げ停止を示唆した。
市場では利下げ観測が広がっているが、トリシェ総裁は複雑な状況を分析する必要性を強調、次の一手の方向性を明言することを避けた。
政策金利については当面現状水準を維持する可能性が最も高いと思われる。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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