2011年09月02日

フィリピン4-6月期GDP:前年同期比+3.4%~成長鈍化はやむなし、アキノ政権の正念場

研究員   高山 武士

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■見出し

・現状:成長の減速が続く
・構造改革を狙う、アキノ政権の正念場

■introduction

フィリピンの国家統計調整委員会(NSCB)は8月31日、4-6月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質の成長率は前年同期比(原系列)で3.4%の増加となり、2009年4-6月期から4四半期連続で減速するという結果となった。なお、前期比(季節調整済)では0.6%の増加であった。
需要側を見ると、投資の低迷が目立つ(前年同期比▲5.7%)。特に建設投資は前年同期比▲13.5%と大きく低迷した。一方、個人消費は前年同期比+5.4%と堅調さを維持した。
供給側を見ると、就業者の3分の1が従事する第一次産業が良好で、前年同期比+7.1%となった。第二次産業については、建設投資の低迷などが影響し、前年同期比▲0.6%とマイナスに転じたが、フィリピン経済の成長を支えてきたコールセンター業務やBPOなどの第三次産業は前年同期比+5.0%と安定的に成長した。
なお、フィリピンでは、出稼ぎ労働者からの送金規模が大きく、これが国内の消費に影響を与えている。これはGDPの項目には含まれないが、「海外からの純所得」として集計されており、前年同期比▲2.8%とマイナスとなった。出稼ぎ先である中東や北アフリカの政情不安、欧州の債務問題などの影響を受けたことが背景にある。ただし今期は、多くの雇用を抱える第一次産業が好調だったため、「海外からの純所得」は低迷したが、個人消費は底固く推移している。

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高山 武士 (たかやま たけし)

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