2011年08月18日

マレーシア4-6月期GDP:前年同期比+4.0%~成長の原動力弱く、燻ぶる中所得国

経済研究部 主任研究員 高山 武士

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■見出し

・現状:伸び悩む製造業
・実は、根が深い

■introduction

マレーシア統計庁(DOSM)は8月17日に4-6月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で4.0%の増加となり、1-3月期の前年同期比+4.9%から鈍化した。
マレーシア経済の特徴は高い輸出依存度と、そして、輸出品目が電子・電気機器と燃料を含む一次産品に集中している点にある。輸出先は、ほぼアジアによって占められ、今期は東日本大震災によるサプライチェーン寸断の影響を受けることとなった。これにより、電子・電気機器の輸出は鈍化したが、輸出全体としては一次産品価格が上昇したことで、前年同期比+4.1%と成長を維持している。内需に関しては、個人消費が前年同期比+6.4%と堅調な成長を見せる一方で、投資は前年同期比+3.2%と前期(同+6.5%)から減速した。
供給側を見ると、主力である製造業は、電子機器の輸出が不調だったため、前年同期比+2.1%と伸び悩んだが、サービス業は個人消費が好調だったこともあり、前年同期比+6.3%と成長を維持している。

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経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

経歴
  • 【職歴】
     2002年 東京工業大学入学(理学部)
     2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
     2009年 日本経済研究センターへ派遣
     2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
     2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
     2014年 同、米国経済担当
     2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
     2020年 ニッセイ基礎研究所
     2023年より現職

    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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