- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 貿易統計11年4月~震災の影響で輸出が大きく落ち込み、貿易赤字に
■見出し
・震災の影響で貿易赤字に転落
・自動車輸出が急減
■introduction
財務省が5月25日に公表した貿易統計によると、4月の貿易収支は▲4,637億円の赤字となったが、事前の市場予想(共同通信集計:▲6,870億円、当社予想は▲4,886億円)に比べれば赤字幅は小さかった。震災に伴う国内生産の落ち込みを背景に輸出が前年比▲12.5%(3月:同▲2.3%)と大幅に減少する一方、原油高の影響などから輸入が前年比8.9%(3月:同11.9%)と高い伸びを維持したため、貿易収支は3ヵ月ぶりの赤字となった。
4 月の輸出入を旬別に分けてみると、輸出は上旬:前年比▲19.4%→中旬:同▲5.4%→下旬:同▲12.2%、輸入は上旬:前年比0.2%、中旬:同27.2%、下旬:同▲1.7%となった。
今年の4月は上旬、下旬は平日(営業日)が昨年よりも1日少なく、中旬は昨年よりも1日多かった。この点を考慮すると、輸出は4月中を通してほぼ同じペースで落ち込んだことになり、サプライチェーン寸断による国内生産急減の影響が続いていることを示すものとなっている。
なお、貿易収支を旬別に見ると、4月中旬までの赤字から4月下旬には黒字に転換しているが、これは輸出よりも輸入のほうが営業日数の影響をより強く受けることによるものと考えられるため、貿易収支が基調として黒字に転換したと考えるのは早計である。
季節調整済の貿易収支は▲4,964億円(3月は14億円の黒字)となり、リーマン・ショック後の09年3月以来の赤字となった。輸出が前月比▲5.5%(3月:同▲8.3%)と2ヵ月連続で減少する一方、輸入は前月比3.8%(3月:同▲1.3%)と3ヵ月ぶりに増加した。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比▲11.6%(3月:同▲3.3%)、輸出価格が前年比▲1.0%(3月:同1.0%)であった。輸入の内訳は、輸入数量が前年比1.3%(3月:同5.5%)、輸入価格が前年比7.5%(3月:同6.1%)であった。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年03月29日
晩年に関する不安~老後とその先の不安には「近居」が“程よい距離感” -
2024年03月29日
急速に導入が進むインドの再生可能エネルギー~2030年の国際公約達成を狙える位置に -
2024年03月29日
身体活動基準2023~座位行動時間、筋トレに関する指針が追加 -
2024年03月29日
鉱工業生産24年2月-不正問題の影響で自動車生産が一段と落ち込む -
2024年03月29日
管理職志向が強いのはどんな女性か~「中高年女性会社員の管理職志向とキャリア意識等に関する調査~『一般職』に焦点をあてて~」より(6)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
-
2023年04月27日
News Release
【貿易統計11年4月~震災の影響で輸出が大きく落ち込み、貿易赤字に】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
貿易統計11年4月~震災の影響で輸出が大きく落ち込み、貿易赤字にのレポート Topへ