2011年04月08日

4月ECB政策理事会:25bpの利上げを実施/ポルトガル、EU・IMFに支援を要請

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・事前予告通りの25bpの利上げ、今後については明言せず
・流動性供給は固定金利・金額無制限で継続
・アイルランドのストレステストを歓迎。依存症銀行のための新たな流動性供給方式の決定は見送り
・ポルトガルはEU・IMFの支援要請へ
・危機拡大の兆候はなく、ECBは静観

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は7日に4月の政策理事会を開催、先月、事実上予告した通り、政策金利を25bp引き上げ、1.25%とした。声明文は、先月に比べればトーンダウンしたが、利上げの余地があるとの認識とインフレ警戒を示す内容であった。当面、25bpずつ3カ月程度のペースで利上げが実施される可能性が高い。
金融政策と流動性供給は連動しないとの方針どおり、ECBは4~6月期も固定金利・金額無制限で流動性供給を継続することをすでに決めている。検討中のギリシャ、アイルランド、ポルトガルなどのECB資金への「依存症」に対する対策の公表は今月も見送られた。
トリシェ総裁は、ポルトガルに、EU・IMFへの支援要請を勧めたことを認めた。国債買い入れについてはコメントを避けたが、データからはECBが国債市場への介入を行わなかったことがわかる。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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