2011年02月25日

相続税・贈与税の見直しは若年世代への資産移転を加速させるか?

  桑畠 滋

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■目次

1--------相続税・贈与税の大幅見直しが行われた2011年度税制改正大綱
2--------相続税強化、贈与税緩和の狙い
3--------今後の課題

■introduction

2010年12月16日、2011年度の税制改正大綱が閣議決定された。
今年度の税制改正は、法人税の実効税率5%引き下げとその財源確保、所得課税における給与所得控除の見直しなどが大きな焦点であったが、同時に相続税、贈与税についても大幅な見直しが行われた。
具体的にみると、相続税では、基礎控除額が現行の「定額部分5,000万円に1,000万円に法定相続人数を乗じた額を加えたもの」から、「定額部分3,000万円に600万円に法定相続人数を乗じた額を加えたもの」へ縮小され課税ベースが拡大されることになった。さらに最高税率についても現行3億円超の部分に50%となっているものから、6億円超の部分に55%へと引き上げられることとなった。
この場合、例えば妻と子ども2人世帯において、夫の死により妻と子ども2人が8,000万円の遺産を相続するケースを想定すると、現行では基礎控除額が8,000万円となり税負担は生じないが、改正後は基礎控除額が4,800万円、課税対象額が3,200万円と、単純計算すると160万円程度の税負担が発生することとなる。
一方、贈与税については相続税とは対照的に、税率構造を緩和することに加え、相続時精算課税制度において、贈与者の年齢要件を65歳から60歳へ引き下げ、受贈者の範囲に20歳以上の孫を追加するなど緩和方向での見直しとなった。

桑畠 滋

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