2011年01月31日

鉱工業生産10年12月~2四半期連続マイナスも1-3月期は増産に転じる公算

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■見出し

・10-12月期の生産は前期比▲1.7%
・エコポイント制度見直しに伴う在庫積み上がりには要注意
・1-3月期は3四半期ぶりの増産へ

■introduction

経済産業省が1月31日に公表した鉱工業指数によると、12月の鉱工業生産指数は前月比3.1%と2ヵ月連続で上昇し、ほぼ事前の市場予想(共同通信集計:前月比3.0%、当社予想は同4.0%)通りの結果となった。出荷指数は前月比1.1%と2ヵ月連続の上昇、在庫指数は前月比1.4%と3ヵ月ぶりの上昇となった。
12月の生産を業種別に見ると、堅調な動きを続けてきた一般機械が前月比▲1.0%と3ヵ月ぶりに低下したが、11月に7ヵ月ぶりに上昇に転じた輸送機械が前月比5.1%(11月:同4.5%)とさらに伸びを高めたほか、情報通信機械、電子部品・デバイスのIT関連業種がそれぞれ前月比7.4%、7.7%と非常に高い伸びとなった。
速報段階で公表される16業種中、13業種が前月比で上昇、3業種が低下した。
10-12月期の生産は前期比▲1.7%と2四半期連続で低下した。業種別には、設備投資の持ち直しを反映し一般機械が前期比2.1%と6四半期連続で上昇したが、10月までの大幅減産の影響で輸送機械が前期比▲8.2%と急低下し、生産指数全体を大きく押し下げた。10-12月期の生産は7-9月期(前期比▲1.8%)とほぼ同じ低下幅となったが、月次ベースでは11月から持ち直しの動きがはっきりしている。鉱工業生産は、輸出、国内自動車販売の持ち直しを背景に、昨年夏場以降の足踏み状態を脱却したと判断される。

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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