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世帯の高齢化とCO2排出量増加-高齢世帯の既築住宅におけるゼロエミッション化の可能性
川村 雅彦
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■目次
1――はじめに
2――削減圧力が高まる家庭部門のCO2排出量
3――世帯の高齢化と持家戸建の増加
4――高齢世帯の戸建居住の増加によるエネルギー消費量の増加
5――現実味を帯びてきたゼロエミッション住宅
6――高齢世帯のゼロエミッション住宅化への可能性と効果
7――おわりに:高齢世帯のゼロエミッション住宅への政策的支援を
■introduction
高齢社会と地球温暖化の関係については様々な側面から議論されているが、本稿では高齢者の住宅に着目し、「世帯の高齢化は家庭部門のCO2排出量増加の要因の一つではないか」という仮説を検証する。そして、CO2排出量の削減方策として、高齢世帯の既築住宅(特に戸建)における「ゼロエミッション住宅」の可能性を考察する。
わが国のCO2排出量を部門別でみると、産業部門が減少するなかで業務部門と並んで家庭部門は大きく増加している。家庭部門の増加にはいくつかの要因が考えられるが、ここでは高齢世帯の増大(量と割合)という社会構造的な側面に着目する。つまり、高齢単身・夫婦世帯の増加を中心とする高齢世帯数の増加とともに、全世帯に占める高齢世帯の割合が上昇するなかで、多くの世帯主は高齢期前に住宅(特に戸建)を購入するため、住宅ストックとして築年数が増した断熱・気密性能の低い既築の持家戸建の割合が増加する。結果として、これが家庭部門のCO2排出量を増大させる要因となっているのではないだろうか。
建築分野のCO2削減ポテンシャルが高いことはIPCCも指摘している。政府が検討中の地球温暖化対策にかかわる中長期ロードマップにおいても、再生可能エネルギー活用によりCO2排出量が正味でゼロになる「ゼロエミッション住宅」が重要課題の一つとなっている。そこで、世帯の高齢化の視点からゼロエミッション住宅の可能性と効果を考えてみたい。
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