2010年11月24日

生命保険会社の選択理由

生活研究部 主任研究員   久我 尚子

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株式会社ニッセイ基礎研究所による生命保険マーケット調査(2009)に基づき、生命保険加入時の保険会社選択理由の要因分析を行ったところ、加入先の決定要因は4つに大別できることが分かった。影響が大きい順に、(1)企業の信頼性・透明性、(2)販売チャネルの親しみやすさ、(3)保険料の安さ、(4)身近な情報の確からしさである。どれも想定できるものではあるが、特筆すべき点が3点ある。
1点目は、この中に商品・サービス自体を直接の理由としたものがないことだ。「商品・サービスが魅力的」・「一番ニーズに合う商品がある」という選択肢はあるが、選択割合は低く企業要因とも結びついていない((1)から遠い)。結びついているのは、前者は身近な情報(4)、後者は販売チャネル(2)だ。特に後者は、「外交員が知り合い」・「相談しやすい」と重なっており、保険会社選定理由は『相談しやすい知り合いの外交員に、ニーズに合う商品を紹介されたから』と容易に読み取れる。
2点目は、企業の信頼性・透明性と身近な情報の確からしさが結びついていないことだ((1)と(4)が遠い)。つまり、口コミなどで話題に上るのは商品・サービスであり企業ではない。また、(4)の近くに「商品・サービスが魅力的」もあることから、『信頼できる身近な情報によって勧められた商品が魅力的だったから加入』と読み取れる。
3点目は、「優れたコンサルティング力」の割合が低く、他の円と遠い左下に位置していることだ。つまり、コンサルティング力は、いずれの結びつきもなく影響度も低い。現在、『ニーズに合う商品があったから加入』という理想的な加入モデルの鍵は、販売チャネルの親しみやすさにある。このゾーンを右上の加入決定要因の最強ポジションへ押し上げるためには、外交員に親しみやすさのほか、企業教育下での信頼性の高いコンサルティング力を結びつけることが有効であろう。

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生活研究部   主任研究員

久我 尚子 (くが なおこ)

研究・専門分野
消費者行動、心理統計、保険・金融マーケティング

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