2010年10月01日

金融市場の動き(10月)~介入しても円高止まらず、10月日銀は追加緩和へ。日中問題深刻化で勝負に消極的になる日本

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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  1. (介入しても円高止まらず、国際会議を控え再介入はやりにくい状況に)9月15日に政府は6年半ぶりに介入を実施した。一旦は85円台をつけたが足元では介入効果の賞味期限切れ。10月上旬以降国際会議が続く。スムージングオペレーションを超える介入は各国から理解は得られにくく、再介入はやりにくい状況に。
  2. (日銀金融政策)9月短観の大企業製造業景況感は6期連続の改善となったが、先行き見通しは7期ぶりに悪化。輸出、生産統計も足元頭打ち、さらに今回の短観で現状の円高水準が続けば下期の景気下振れが読み取れる。10月決定会合では何らかの政策対応が必要との判断がなされる可能性は極めて高い。
  3. (長期金利)日米当局の追加金融緩和をにらみ、長期金利には低下圧力がかかっている。仮に今月追加緩和が実施されなかったとしても、引き続き緩和期待が残る。
  4. (為替)円ドルレートは基本的には80円台前半~中盤の円高水準で推移するだろう。来週の日銀決定会合で追加緩和が決定された場合、FRBの会合までのタイムラグがあるため、一旦日銀が緩和競争で先行した形となり円安に振れる可能性はあるが、FRBへの緩和期待が高まっていくことで、効果は長続きしないだろう。
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総合政策研究部

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

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