2010年09月10日

欧州経済見通し~金融・財政健全化のプロセスは続く

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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  1. 足もとのユーロ圏経済は4~6月期に比べると減速しているが、回復基調は続いている。回復の牽引役はドイツなどのコア国で、周辺国は停滞し、一層の悪化も見込まれる。
  2. 国債市場では、財政危機の震源地ギリシャ、民間対外債務の水準が高く、内外資金を仲介した銀行の信用不安が続くポルトガル、銀行救済コストがかさむアイルランドの利回りが上昇している。逃避先となるドイツの国債利回り低下もあって域内の国債スプレッドは再拡大している。
  3. 2011年は、ドイツなどコア国の回復の起点である輸出が減速、主要国が財政再建に着手することも回復テンポを抑えるが、「二番底」に陥るリスクは高くはない。ECBは、厳しい情勢が続く周辺国の経済と銀行システムの脆弱性への配慮から「非標準的手段」の収束を急がず、2011年中は政策金利も据え置くだろう。
  4. イギリス経済も緩やかな回復持続が見込まれるが、回復の基盤は弱く、輸出環境悪化や緊縮財政による下振れのリスクもあるため、BOEは超低金利を維持、資産買い取り枠増枠の選択肢を留保しよう。
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経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

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欧州経済

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