2010年08月06日

8月BOE金融政策委員会:インフレとデフレのリスクを意識しつつ、当面は成長促進に軸足

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・成長加速、CPI高止まりでも現状維持を継続
・インフレとデフレのリスクを意識しつつ、当面は成長促進に軸足

■introduction

イングランド銀行(BOE)は6日、7日に開催した金融政策委員会(MPC)で、政策金利の0.5%での据え置きと資産買い取り(量的緩和)残高の2000億ポンドでの維持を決めた。今月のMPCの議論は四半期に一度の「インフレ報告」が叩き台となっており、現状維持の決定は、前回から見通しの基調が大きくは修正されなかったことを示すものと言えよう。
キング総裁は7月28日の議会証言で「金融面から成長促進に軸足を置くことが正しい選択」とのスタンスを示している。今月のMPCでも、少なくとも1票の利上げ票が投じられた可能性はあるが、デフレのリスクも排除できない情勢にあるため、しばらくはMPC内で利上げ派が多数を占めことはないだろう。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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