2010年06月15日

6月日銀決定会合:日銀成長分野に新貸出制度:3兆円枠、8月末から開始

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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■見出し

・成長分野に新貸出制度 3兆円枠、8月末から
・景気判断は据え置き、個別判断では若干の上方修正も

■introduction

日銀は6月15日、成長基盤強化を支援するための新貸出制度を8月末目処に開始すると発表した。
貸付総額の残高上限は3兆円、貸出期間は原則1年で、3回まで借り換え可能(最長4年)とし、受付期間は2012年3月末まで。また対象としては研究開発、起業、環境・エネルギー、医療・介護、高齢者向け事業、観光、農林水産業、保育・育児など18分野を例示。新規貸し付けは四半期に1回のペースで実施。1回当たりの貸付総額は1兆円を限度とし、金融機関ごとの貸付残高は1500億円を上限とする。
白川総裁は会見で「企業や金融機関による成長に向けた取り組みが一段と活発化することを期待したい」と新貸出制度を日本経済再生の「呼び水」にしたい考えを示している。
日本経済が直面している重要な課題は潜在成長率や生産性の引き上げでそれを実現するために、中央銀行が「異例中の異例の策」を示さなければならないという強い決意があるのだろう。また近く新成長戦略を公表する菅政権との協調姿勢もアピールする狙いもあるだろう。

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総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

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