2010年06月08日

米5月雇用統計、民間雇用増が大幅に縮小~失業率は9.7%に低下

  土肥原 晋

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■見出し

・雇用増の大半は一時的な政府の国勢調査要員~予想を大きく下回った民間雇用者増
・5月失業率は9.7%に低下~広義の失業率も16.6%に低下

■introduction

米労働省発表の5月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者が前月比+43.1万人となり、前月の増加数(+29.0万人、前月比、以下も同様)を上回ったが、市場予想(+51.5万人)は下回った。今回の雇用増は国勢調査に向けた一時雇用の急拡大(+41.1万人)による影響が大きく、この増加を除くと僅か2万人の増加に留まる。特に、市場予想で+18万人の増加が見込まれた民間部門の雇用増は+4.1万人と大幅に縮小し、市場予想や前月の増加(+21.8万人)をともに大きく下回った。なお、今回の増加は2000年3月(+47.2万人)以来10年ぶりの大幅増となるが、当時も国勢調査による一時雇用(+9.5万人)で押し上げられたものだった。また、過去に遡っての修正は、3月分が▲2.2万人(+23.0万人→+20.8万人)の下方修正だった(図表1)。
5月の部門別の雇用増減を見ると、民間生産部門が+0.4万人の増加となり、生産部門の内訳では、製造業が+2.9万人、鉱業が+0.98万人と増加した一方、建設業が▲3.5万人と減少を見せた。不振の続く建設業では3月に33ヵ月ぶりに増加に転じた後、4月は増加を維持したが、5月は再び減少に転じた。また、製造業の内訳では、耐久財が+3.4万人、非耐久財が▲0.5万人と耐久財中心の回復が続いている(図表2)。
民間サービス部門の雇用は+3.7万人の増加となった。増加傾向が続く人材派遣(Temporary help services、前月比+3.1万人)を含む、専門・事業サービスが+2.2万人、教育・ヘルスケアが+1.7万人と増加した一方、金融(含む不動産)が▲1.2万人と減少した(図表4)。
政府部門では連邦政府が+41.2万人と増加した一方、州・地方政府は▲2.2万人の減少となった。連邦政府の国勢調査に伴う一時的な雇用増は+41.1万人であり、これを除くと政府部門では▲2.1万人の減少となる。
前月比の雇用者増減の推移を振り返ると、2009年1月に▲77.9万人と1949年以来の記録的な減少となった後は減少幅が縮小傾向を辿り、今年に入ってからは増加に転じている。特に、3月以降は国勢調査雇用が、+4.8万人、+6.6万人、+41.1万人と連月の増加となり、雇用全体を押し上げたが、こうした雇用は5~6月にもピークを迎え、7-9月期には収束に向かい減少要因となるため、それらを除いた民間雇用が順調に拡大しているかが、雇用拡大の重要な視点となる。そのため、5月雇用統計が金融市場に与えた影響も大きく、株式市場は大幅に下落した。なお、今回リセッション入り後、2008年1月以降の雇用減は累計▲738万人(最大は昨年末の▲836万人)となった。

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