2010年05月21日

防衛策公表後も続くユーロ安とユーロ圏経済の失速リスク

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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  1. 今月10日の総額7500億ユーロの「欧州金融安定化メカニズム(ESM)」と欧州中央銀行(ECB)による流動性供給の再拡大、債券市場への介入という対策が打ち出された後も、域内の国債スプレッドの乖離は続き、株価、ユーロ相場の軟調が続いている。
  2. ESMで「次のギリシャ」への支援体制を巡る不安は緩和するが、競争力が低下、対外的な不均衡を抱える周辺国が為替調整を行わずに財政と経済の再建を図ることができるのかという根本の問題は残る。政策を巡る足並みの乱れ、景気の失速、金融システム不安再燃などユーロ圏を巡る不安材料が尽きない中、市場の反発力が弱いのは当然だろう。
  3. ただ、一連のリスクのうち、ユーロ圏経済の失速リスクは、厳しい緊縮財政に動く周辺国の規模や外部環境などを考えると、やや過大視されているように思われる。
  4. とは言え、域内格差の拡大は単一通貨圏としてのユーロ圏の欠陥の表れであり、ユーロの信認回復のために、ESMが存続する3年間でなすべきことは多い。
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経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

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