2010年04月30日

日銀展望レポート(4/30):成長基盤強化へ資金供給の方法検討を指示、展望レポートは2011年度にコアCPIプラス予想

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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■見出し

・成長基盤強化へ資金供給の方法検討を指示
・展望レポート : 緩やかな回復シナリオ、2011年度には消費者物価指数はプラス予想

■introduction

日銀は30日の金融政策決定会合で、「現下の日本経済の状況を踏まえると、成長基盤の強化を図ることが必要」との認識から、「成長基盤強化の観点から、民間金融機関による取り組みを資金供給面から支援する方法について検討を行い、あらためて報告するよう執行部に指示」を決定している。
今後追加緩和策としては、今までの経緯からみれば、(1)新型オペの金額を20兆円からさらに増額、(2)オペ期間を6ヶ月に延長などが考えられた。
しかし、現状でも短期市場取引の大半が新型オペになっており、その上、増額、期間延長となれば市場をかなり歪めてしまうとの配慮があったと思われる。また3月に拡大する際に反対票が2票でていることも「何か違うこと」という執行部への指示になったのだろう。
総裁は会見で「成長基盤強化の具体例」との質問に対して98年99年にかけて行なった企業金融支援の臨時貸出制度が参考になるとの見方を示した。金融緩和とは異なる新しい枠組みになるようだ。
ただ、日銀のHPで「成長基盤」で検索すると2002年と2004年の3件がヒットするが、最近まったくでていなかったフレーズだけに「違和感」ありだ。成長基盤の強化は政府の役割であると思えるだけに、日銀の意図がよくわからないというのが正直な感想だ。6月にもまとめる政府の新成長戦略を意識しているとの思惑もでそうだ。

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総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

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