2010年04月09日

4月ECB政策理事会:適格担保要件の新方針はギリシャ支援色が濃い内容

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・政策金利の据え置きとオペの適格担保要件の新方針を決定
・質疑応答はギリシャ問題に集中
・金融政策の舵取りが難しい局面は続く

■introduction

3月25日のユーロ圏首脳会合で、財政危機に直面しているギリシャへの支援はユーロ参加国政府と国際通貨基金(IMF)との協調融資の形態をとることで合意したものの、支援の実効性を巡る懸念から、ギリシャのリスク指標はピークを更新、ギリシャの銀行に対する不安も広がっている。
こうした中で8日に開催された欧州中央銀行(ECB)の政策理事会では、政策金利の据え置きとともにオペの適格担保要件に関する新方針を決定したが、その内容はギリシャ支援の性格を帯びたものと解釈することができる。政策理事会後の記者会見における質疑応答は、支援策の実効性などギリシャ問題に集中した。トリシェ総裁は、ギリシャの自助努力が必要との立場を維持しつつ、ユーロ圏首脳の合意は「実効性のある枠組み」とし、ギリシャの債務不履行(デフォルト)の可能性を否定した。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

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