2010年01月22日

東京圏への人口集中の要因を探る(1)~都道府県間移動に焦点を当てて

  桑畠 滋

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  • 日本は、本格的な人口減少時代に突入しようとしている。合計特殊率の低下などを理由に出生数が減少していることに加え、高齢人口の増加を受けて死亡数が増加していることが要因である。今後もこの傾向は続き、我が国の総人口は減少を続けるものと考えられる。
  • 東京圏、大阪圏、名古屋圏の3大都市圏とそれ以外の地方の人口動向を比較すると、3大都市圏合計では出生数が死亡数を上回る自然増加が続いていることに加え、転入超過数の増加など社会増加も続いていることから、人口は増加している。一方、それ以外の地方では自然減少、社会減少により人口は減少している。3大都市圏の内訳について見ると、東京圏は自然増加、大幅な社会増加により人口増加が続いている一方、大阪圏では、1970年代半ば頃から社会減少が続いており、近年では、社会減少数が自然増加数を上回った結果、人口減少に転じている。
  • 東京圏の転入超過について長期的な推移を見ると、高度成長期には東北、茨城、栃木など東日本からの移動が多数を占めていたのに対し、1980年以降では大都市圏である大阪圏からも転入超過数が増加している。特に近年では、大阪府から東京都への移動の増加が顕著となっている。
  • 東京圏に属する1都3県の転入超過の内訳を確認すると、バブル期である1980年代後半と近年で変化がみられる。1980年後半には、東京都から埼玉県、千葉県、神奈川県など東京圏内への大幅な人口流出がみられ、東京都は転出超過が続いていたが、近年では、東京都からの人口流出は止まっている。加えて、大阪府を中心に他府県から東京都への移動が増加した結果、東京都の転入超過数は増加し、人口移動の東京都への集中が鮮明となっている。

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