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- 中国GDP発表:景気は好調だが物価は注意信号
■見出し
・中国景気はV字回復を継続
・消費者物価が注意信号を発信
■introduction
1月21日、中国国家統計局は第4四半期(10-12月期)の実質GDP成長率が前年同期比10.7%増になったと発表した。前年同期比で見た実質GDP成長率は、第1四半期の6.2%増を底として3四半期連続の改善となり、景気が順調にV字回復していることを確認する結果となった(図表-1)。
需要動向を見ると、消費が「自動車を農村に」等の消費刺激策により緩やかに伸びを高める中で、世界的金融経済危機を受けて前年同月比マイナス2割前後で推移していた輸出は、昨年秋以降マイナス幅を縮め12月には2桁プラスに転じた。一方、4兆元の景気刺激策や銀行融資の急拡大がサポート材料となった投資は前年同月比3割以上の増加から年末には2割台へ減速してきた。
生産動向を見ると、外需の低迷を受けて1桁台の伸びで推移していた工業生産(付加価値ベース)は6月には2桁台を回復、年末に向けて伸び率を徐々に高めた。個別産業を見ると、減税と補助金の消費刺激策が強力な追い風となった自動車生産は、年初の前年同月比2割マイナスから急速に回復し、12月は月産150万台を超え前年同月比2倍超の生産台数となった。過剰生産設備が懸念される粗鋼の生産は10月のピーク時に前年同月比4割を超える増産となっていたが、年末にかけては伸びが若干減速し始めている。
また、2009年を通じての実質GDP成長率は、前年比8.7%増と中国政府が目標としている8%を上回り「保八」を達成した。産業別の内訳を見ると、第二次産業は9.5%増と外需不振の中で過去平均を下回ったが、大規模かつ迅速な財政金融政策の発動を受けて、2008年の伸び(9.3%)を若干ながら上回った。また、第一次産業は4.2%増とほぼ過去平均並み、第三次産業は8.9%増と過去平均を下回ったがサービス化の進展から底堅い伸び率を維持した。
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三尾 幸吉郎
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