2010年01月15日

1月ECB政策理事会:政策金利据え置き、追加策決定は3月

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・政策金利8カ月連続で据え置き、流動性供給に関する追加的な決定も見送り
・景気・インフレの現状判断と見通しは従来の見方を踏襲、マネー分析は幾らか下方修正
・適切な財政の出口戦略を呼びかけ、特定国への配慮は行なわない方針を表明

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は14日に政策理事会を開催した。政策金利は8カ月連続で据え置き、12月に段階的縮小の方針を打ち出した流動性供給に関しての追加的な決定は3月に行う方針を示した。景気・インフレの現状判断と見通しは従来の見方を踏襲する一方、マネー分析については幾らかの下方修正を行なった。
ギリシャの財政問題への不安が広がっていることから、声明文では、過剰な財政赤字の弊害と各国政府に適切なタイミングで財政の出口戦略を実行に移すよう求めた。記者からの質問はギリシャの財政危機に集中したが、トリシェ総裁はギリシャに対する特別な配慮を行なわないスタンスを示すとともに、ギリシャのユーロ離脱観測を「ばかげた憶測」として一蹴した。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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