2009年12月03日

日銀短観(12月調査)予測~大企業製造業・業況判断DIは6ポイント改善の▲27

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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  1. 12月14日公表の12月調査・日銀短観は、大企業製造業・業況判断DIが3期連続の改善を示すなど、国内景気は底を打ち回復局面にあることを裏付ける一方で、回復は緩やかなことから経済活動の水準は未だリーマン・ショック前に戻らず、企業の景況感に足踏み感が出ているという内容になりそうだ。
  2. 注目度が高い大企業製造業の業況判断DIは▲27、大企業非製造業では▲22と、それぞれ前回調査から6ポイント、2ポイントの改善となるだろう。中小企業については、製造業が▲50と前回調査から2ポイントの改善、非製造業は、▲38と前回調査から1ポイントの改善と予想する。製造業では、円高による採算性の悪化から前回9月調査時点の先行き予想をかなり下回り、非製造業では雇用・所得環境の悪化とデフレ傾向が景況感の重石となる構図。
  3. 企業収益には一部改善の兆しが見えてくるが、設備稼働率は未だ低く、景気の先行き不透明感も強いため、足元で設備投資を活発化する動機は乏しいとみられる。2009年度の設備投資計画(全規模・全産業)は引き続き抑制的というスタンスに変化はないだろう。前回9月調査時点より0.2%の下方修正の前年度比▲17.5%と引き続きかなり低い水準となるだろう。
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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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