2009年12月02日

2008年度GDP確報~08年度の実質GDP成長率は▲3.2%から▲3.5%へ下方改定

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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・08年度の実質成長率は▲3.2%から▲3.5%へ下方改定
・確報の公表方法には問題も

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内閣府が12月2日に公表した国民経済計算確報によると、2008年度の実質GDP成長率は、速報値の前年度比▲3.2%から下方改定され▲3.5%となった。
改定の内訳を見ると、民間消費が前年比▲0.5%から同▲1.5%へと大幅に下方改定される一方、設備投資は前年度比▲9.6%から同▲6.8%へと上方改定された。公的需要は、公的固定資本形成が前年比▲4.4%から同▲6.6%へ、政府消費が前年比0.3%から同▲0.1%へとともに下方改定され、全体では▲0.7%の下方改定となった。一方、外需寄与度は前年度比▲1.2%から同▲1.1%へと小幅ながら上方改定された。
速報から確報への改定幅を需要項目別に見ると、実質GDP成長率への影響は、民間消費、設備投資が特に大きくなっており、過去3年間の改定状況を見ても同様の傾向が見られる。景気動向を左右する国内需要の柱とも言うべき民間消費、設備投資の速報段階における推計精度が低いことは、GDP速報を景気判断に用いる上で大きな支障ともなりかねない。今後、GDP統計の推計方法の問題点が改めてクローズアップされる可能性もあるだろう。
2008年度の名目GDP成長率は▲0.5%下方改定され▲4.0%、GDPデフレーターは▲0.2%下方改定され▲0.5%となった。
なお、2007年度についても確報から確々報への改定が実施された。実質GDP成長率は前年度比1.8%で変わらなかったが、民間消費が前年度比0.9%から同1.4%へと上方改定される一方、設備投資が前年度比2.1%から同1.3%へと下方改定された。

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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