2009年10月13日

9月マネー動向:貸出市場の二極化に歯止めかからず、(参考)政府・日銀による金融支援策の現状

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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■見出し

・貸出動向: 伸び率はリーマン・ショック前の水準へ
・マネタリーベース: 13ヶ月連続の前年比プラス
・マネーストック: マネーの伸びは拡大、安全資産への資金流入が続く

■introduction

日銀の貸出・資金吸収動向等によると、9月の銀行総貸出(平残)の前年比伸び率は1.7%(前月は1.9%)と9ヶ月連続で伸び率が縮小した。同水準はリーマン・ショック以前の2008年5月以来の低い水準となる。景気低迷に伴って資金需要が低迷しているほか、CP・社債市場の機能が回復しており、貸出需要が頭打ちになってきているようだ。(図表1)
一方、以下のように、いたるところに二極化の状況が現れてきている点には注意が必要だ。
(1)(貸出残高)大企業向け残高が前年比で大きなプラスを維持している一方、中小企業向けについては長期にわたり前年比マイナス圏での推移が続いており、8月の平均残高(176.3兆円)は05年11月以来の低水準となった(図表2)。
(2)(資金繰りなど)日銀短観における資金繰り判断D.I.は大企業と中小企業の間に大きな格差があり、また貸出態度D.I.でも大企業が改善傾向にあるなか中小企業では殆ど改善が見られない(図表3,4)。
(3)(金融支援策)ここにきて、政府が実施してきた数々の金融支援策(下記「参考」ご参照)についても、大企業向けの社債・CP買取の打ち切りが日銀において検討されているという報道がある一方で、現在政府が中小企業の返済猶予制度を検討しているように、中小企業向けは強化の方向にある。大企業・中小企業をめぐる政策にも方向性の違いが出てきている。

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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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