2009年10月02日

雇用統計09年8月~雇用情勢の急速な悪化に歯止めがかかる兆し

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・失業率は0.2ポイント低下の5.5%
・労働需給の悪化には歯止め

■introduction

総務省が10月2日に公表した労働力調査によると、8月の完全失業率は前月から0.2ポイント低下し5.5%となった(ロイター事前予想:5.8%、当社予想は5.7%)。失業率は09年に入り急上昇が続いてきたが(09年1月:4.1%→7月:5.7%)、ここにきてようやく失業率の悪化に歯止めがかかる形となった。
雇用者数は前年比▲1.3%(7月:同▲1.4%)と引き続き大幅な減少となったが、前月比では7月の0.4%に続き、8月も0.4%と2ヵ月連続で増加した。失業者数は361万人、前年に比べ89万人の増加となり、7月の103万人増から増加幅が縮小した。
失業者の内訳を求職理由別に見ると、非自発的な離職による者が前年に比べ74万人増(うち勤め都合が61万人増)となり、全体の増加の約8割を占めた。一方、自己都合による失業者は4万人の増加となった。
失業率の低下は、就業をあきらめ非労働力化する人が増えることによってもたらされる場合もあるが、労働力人口(季節調整値)は7月の前月比15万人増に続き8月も同21万人増となった。こうした中、失業者数(季節調整値)が減少(7月:376万人→362万人)したことには一定の評価ができるだろう。
労働力調査は月々の振れが大きい統計であるため、今月の結果だけで判断することは早計だが、09年入り後の雇用情勢の急速な悪化には歯止めがかかる兆しが出てきたと言えよう。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、鉱工業生産はこのところ持ち直しの動きを続けているが、製造業の雇用者数は、08年度末にかけての生産活動の大幅な落ち込みを反映し、前年に比べ▲106万人減(7月:同▲95万人減)と減少幅がさらに拡大した。製造業の減少幅は全体の減少幅(▲74万人減)を大きく上回っている。派遣社員が含まれる職業紹介・労働者派遣業の雇用者数は前年に比べ▲19万人減と10ヵ月連続の減少となった(7月は▲23万人減)。一方、医療・福祉は前年に比べ42万人の増加となり、7月の37万人増から増加幅が拡大した。
従業員規模別には、500人以上の大企業が前年に比べ▲26万人減(7月は5万人増)と3ヵ月ぶりに減少に転じたほか、499人以下では全ての企業規模で減少が続いた。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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