2009年08月07日

8月ECB政策理事会:政策金利は据え置き、信用緩和強化策も維持

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・レポ金利は1%で据え置き、信用緩和強化策も新たな決定はなし
・景気とインフレ見通しは僅かながら上方修正
・貸出の減速は需要の弱さに負うところも大
・9月のスタッフ見通しは上方修正の可能性もあるが、政策面では現状維持が濃厚

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は6日に政策理事会を開催、政策金利は据え置き、信用緩和強化策についても新たな決定を行なわなかった。トリシェ総裁は、政策金利の水準は「適切」とし、信用緩和強化策は「すでに決めたことを適切に進めて行く」というスタンスを繰り返し前面に打ち出した。
今回の声明文では、景気とインフレ率の見通しが僅かに上方修正されており、9月に改定されるスタッフ見通しは幾らかの上方修正となる可能性があるが、「とても慎重で注意深い(トリシェ総裁)」トーンは変わらない見通しだ。政策面ではしばらく現状を維持し、不測の事態への警戒も続ける可能性が濃厚と言えよう。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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