2009年07月10日

7月BOE金融政策委員会:景気下げ止まりの兆候を踏まえ、政策金利据え置き、量的緩和増枠は見送り

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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■見出し

・政策金利は0.5%で据え置き、1250億ポンドの資産買い取りを継続
・前回6月のMPCでは急激な落ち込みのリスクは後退したと判断
・強弱材料の交錯が今回の増枠見送り決定の理由と思料
・8月MPCの判断材料は住宅市場、雇用調整のスピード、金融仲介機能の回復度合い

■introduction

イングランド銀行(BOE)は8~9日に金融政策委員会(MPC)を開催、政策金利を0.5%で据え置き、3月に開始したBOEの資金による中長期国債等の資産買い取り(量的緩和)の増枠も見送った。
前回6月のMPCの議事録からは、金融市場や企業、家計のマインドはなお脆弱であり、なんらかのショックで逆転しうるとの判断から、現状維持で全員が一致したことがわかっている。今回の現状維持の決定は、前回MPC以降、強弱の材料が交錯する構図に変化がなく様子見が適切と判断されたことと、政策変更は新たな「インフレ報告」が叩き台となる8月のMPC時に行うことが最善という判断が多数を占めたことによると思われる。
次回8月5~6日開催予定のMPCでの政策判断のポイントは、住宅市場、雇用調整のスピード、金融仲介機能の回復度合いであろう。これらが揃って回復となれば、資産買い取りプログラムの増枠は当初決定した上限の1500億ポンドの枠内に留めるか、それすら見送る可能性もあるが、市場はなお不安定であり慎重な判断が求められよう。

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経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

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