2009年05月29日

雇用統計09年4月~雇用情勢の悪化がさらに加速

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・失業率は03年11月以来の5%台
・有効求人倍率は0.5倍を割り込む

■introduction

総務省が5月29日に公表した労働力調査によると、4月の完全失業率は前月から0.2ポイント上昇し5.0%となった(ロイター事前予想:5.0%、当社予想は5.1%)。失業率が5%台となったのは03年11月以来、5年5ヵ月ぶりである。
景気後退局面はすでに終了している可能性が高いが、失業率は景気の遅行指標であるため、昨年秋以降の景気の急速な悪化を受けて、今後も上昇傾向が続くことが見込まれる。当研究所では、失業率は09年後半に過去最悪の5.5%を超えた後、10年初め頃には6%程度まで上昇すると予想している。
雇用者数は前年比▲1.3%と3月の同▲0.9%から減少幅が拡大した。自営業主・家族従業者数も大幅減少が続いたため、就業者数は前年比▲1.7%(3月:同▲1.4%)と減少幅が拡大した。失業者数は346万人、前年に比べ71万人の増加となった。3月の67万人増から増加幅がさらに拡大した。
失業者の内訳を求職理由別に見ると、非自発的な離職による者が前年に比べ58万人増(うち勤め都合が53万人増)、自己都合が8万人増となっており、失業者が急増するとともに、失業の中身も深刻化している。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、08年度末にかけての生産活動の大幅な落ち込みを反映し、製造業が前年に比べ▲55万人(3月:同▲28万人減)と減少幅が大きく拡大したほか、派遣社員が含まれる職業紹介・労働者派遣業の雇用者数が95万人、前年に比べ▲24万人減と6ヵ月連続の減少となり、減少ペースはここにきて加速している(2月:▲7万人→3月:▲18万人→4月:▲24万人)。
従業員規模別には、1~29人の中小企業の減少幅(前年比▲53万人)が非常に大きいが、大幅な増加を続けてきた500人以上の大企業でも増加幅が急速に縮小した(3月:前年比35万人増→4月:同3万人増)。企業規模にかかわらず、雇用情勢は悪化している。
なお、5月19日に公表された09年1-3月期の労働力調査詳細集計によると、正社員(正規の職員・従業員)が3386万人、前年に比べて15万人増と5四半期ぶりの増加となる一方、非正規社員(非正規の職員・従業員)は1699万人、前年に比べて▲38万人の減少となった。非正規社員の減少は比較可能な03年1-3月期以来初めてである。
非正規社員の内訳を見ると、契約社員・嘱託は2万人増(08年10-12月期:61万人増)とかろうじて増加を維持したが、パート・アルバイトが▲11万人減(08年10-12月期:▲4万人減)と5四半期連続の減少、派遣社員が▲29万人減(08年10-12月期は1万人増)の大幅減少となった。雇用形態別の失業率(過去1年間の各雇用形態からの失業者数/(過去1年間の各雇用形態からの失業者数+雇用形態別雇用者数))を見ると、正社員は1.9%で前期から変わらなかったが、パート・アルバイトは2.9%から4.5%へと上昇、派遣社員は9.9%から17.1%へと急上昇した。
今回の景気後退局面では、比較的調整が容易な非正規社員を中心に削減が始まり、ここにきて正社員にまで雇用調整が波及してきたという見方が一般的となっている。しかし、統計上は正社員の減少はすでに08年初めから始まっており、非正規社員の削減は09年に入ってからということになっている。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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