2009年05月20日

QE速報:1-3月期の実質GDPは前期比▲4.0%(年率▲15.2%)~過去最大のマイナス成長だが、4-6月期は5四半期ぶりのプラス成長へ

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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  1. 2009年1-3月期の実質GDP成長率は、前期比▲4.0%(年率換算▲15.2%)と2008年10-12月期(年率換算▲14.4%)に続き年率二桁のマイナス成長となった(当研究所予測5月1日:前期比▲4.4%、年率▲16.4%)。成長率のマイナス幅は10-12月期を上回り過去最大となった。
  2. 10-12月期は大幅マイナス成長のほとんどが外需の悪化によるものだったが、1-3月期は輸出の落ち込みが国内需要に本格的に波及し、内外需総崩れの状況となった。
  3. 2008年度の実質GDP成長率は▲3.5%、名目GDP成長率は▲3.7%となり、実質、名目ともに過去最大の落ち込みとなった。また、2008年度下期の成長率の落ち込みが非常に大きかったため、2008年度から2009年度へのゲタ(発射台)は▲4.9%の大幅マイナスになった。2009年度の日本経済は極めて低い水準からのスタートということになる。
  4. 1-3月期の日本経済は過去最悪の落ち込みを記録したが、輸出の下げ止まり、在庫調整の進展などから景気後退局面は1-3月期中に終了している可能性が高い。4-6月期は輸出の持ち直し、定額給付金の支給に伴う民間消費の増加などから5四半期ぶりのプラス成長になると予想する。
  5. 昨年秋以降、日本経済は主要先進国の中で最も大幅なマイナス成長を続けてきたが、景気後退、マイナス成長を脱するのは最も早くなる公算が大きくなった。
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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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