2009年04月03日

ロンドンG20(4/1-2):2010年末、2%成長をコミット

経済研究部 チーフエコノミスト   矢嶋 康次

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■introduction

ロンドンG20が2日開かれた。先般のG20財務相・中央銀行総裁会議の成果を踏まえて、マクロ政策対応、金融規制・監督のあり方、国際金融機関の改革、保護主義の回避などについて議論された。
宣言では2010年末までに、世界経済の成長率を2%に回復させるために、「あらゆる行動をとる」ことで一致、計5兆ドルの協調した財政出動で世界の成長率を4%分押し上げ、何百万人の雇用を維持・創出を目指すとの決意を示した。
さらに保護主義の拡大を許さない姿勢も強く確認された。新興国や途上国の成長を支援するために、IMFなどの資金力を大幅に強化すること、危機再発を防ぐため金融規制強化でも一致した。
G20前には財政政策、金融規制強化などを巡り米国と欧州諸国、またIMF強化などで新興国と先進国の意見の違いが報じられていたが、結果としては米国が対立よりも協調を重視し、多くの点で「世界協調が演出」できている。
ただし、保護主義阻止、ヘッジファンドなどへの金融規制強化は総論での合意が得られたが、今後、各論に入る中で、意見の違いが明らかになってくるだろう。実現にはまだ超えなければならない山が高そうだ。
またもうひとつ今後問題となりそうな点が明らかになった。
ロシアと中国は、G20前に、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)を新たな基軸通貨として採用することを提唱し、これに対して米国や欧州が反対していた。G20では米ドルの基軸通貨としての役割は結局議論(表には出てこなかった)されなかったが、米国などは中国などに配慮し、IMFの出資比率の見直しを2年前倒しで行うことを合意している。
今後も権限強化を急ぐ中国、ロシアは揺さぶりをかけてくるだろう。米国の双子の赤字が問題になる局面で、「基軸通貨ドル」に対して中国、ロシアがどのような見解を示してくるか、市場の注目が集まるということがたびたびおきそうだ。

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経済研究部   チーフエコノミスト

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融、日本経済

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