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コラム
2009年01月15日
生活防衛手段としての「家計の引き締め」が盛んになっている。過去の一時の「家計見直し」ブームの中では、生命保険の見直しばかりが叫ばれていたものであるが、気候変動への関心が高まる中で、省エネルギーによる家計節約、余分なものを買わず耐久財をできるだけ長く使う等によるゴミ削減にも目が向けられている。エコノミーとエコロジーを合わせたこのWエコ発想は、今の社会環境を考えると非常に合理的である。
ところで、これをもう少し長期的な視点で考えてみることはできないだろうか。
長期的な家計を考えるに当たり、一般には「生活設計(ライフプラン)」という概念が用いられる。金融広報中央委員会では、これを「将来に向かって、望ましい、こうありたいという生活像を描き、そのような生活はどのような条件・状況のもとで実現可能かを考え、目的達成のため、具体的計画を立てること」と定義している。要は、人それぞれの出生、成長、結婚、育児、老後といった人生のステージにおいて必要な費用を予想し、その資金を計画的に準備していこうというものだ。
一方、地球環境を考えると、人が生きることにより様々な形で環境への負荷が生じる。現在の最大の課題である二酸化炭素の排出を家庭単位で考えれば、「家計」と同様、人生のステージごとに二酸化炭素排出量が異なる。乳幼児や高齢者が家の中で過ごす時間が長ければ冷暖房の利用が長引き、育ち盛りの子どもがいれば洗濯の量も増える。家族数が多ければ風呂やシャワーによる給湯量も増え大きな冷蔵庫も必要になる。このようなことを細かく考えていくと、生活設計の中で、環境負荷も見積もることができる。予め環境負荷が見積もれれば、環境にとっても家計にとっても最も効率のよい生活設計をすることができるようになる。
例えば、冷蔵庫やエアコン、給湯器などで、容量や能力の低い機器を目一杯使用している場合と、余裕をもって使用している場合とでは、後者の方がエネルギー使用量が少なくて済み、それはエネルギー・コストの低減にもつながる。余裕のある機器を購入するために余分にコストがかかったとしても、そのコストは回収できるといわれている。また、逆に、家族数やライフスタイルの変化により、必要以上の容量・能力のある機器を使用することになった場合には、やはりエネルギーもコストも効率が悪い。このような時には再度機器の買い換えをする。家族の変化サイクルと機器の寿命がうまく一致していればそれに越したことはないが、買い換えまでの間には機器の省エネ技術も確実に進むので、専門家の意見を聞きながら、予め支出の計画をしておくことも重要である。
このようなことを、環境省が選んだ「第3期環境ビジネスウィメン」であるロハス・ビジネス・アライアンス共同代表の大和田順子さん、環境エネルギー総合研究所代表の大庭みゆきさんのお二人と話し合った。家庭でのエネルギー消費を具体的に計測し、住宅設備をはじめとする様々な省エネ提案を行っている大庭さんの持論は、「家庭の役割からエネルギー消費を考えると、家族の団欒や憩い、癒しという家庭本来の役割とエネルギー消費は大きく関係する。このため、家庭の省エネルギー推進に当たっては、それら家庭の役割を阻害しない省エネルギー対策が生活に定着しやすい。」である。意識し、ある時は快適な生活を我慢して節約に努める日々の省エネと比べると、長期的な視点の省エネは心理的な負担が小さく定着が見込めるという。
家庭でつける家計簿に対して環境家計簿があるように、生活設計には「環境生活設計」があってもよいのではないだろうか。生活設計のプロであるFPが、環境の知識を持って活動したら、家計の負荷の軽減とともに環境負荷の軽減も可能な夢のようなWエコが実現できる。大庭さんのいうとおり、当然それは、無理のないWエコでもある。
ところで、これをもう少し長期的な視点で考えてみることはできないだろうか。
長期的な家計を考えるに当たり、一般には「生活設計(ライフプラン)」という概念が用いられる。金融広報中央委員会では、これを「将来に向かって、望ましい、こうありたいという生活像を描き、そのような生活はどのような条件・状況のもとで実現可能かを考え、目的達成のため、具体的計画を立てること」と定義している。要は、人それぞれの出生、成長、結婚、育児、老後といった人生のステージにおいて必要な費用を予想し、その資金を計画的に準備していこうというものだ。
一方、地球環境を考えると、人が生きることにより様々な形で環境への負荷が生じる。現在の最大の課題である二酸化炭素の排出を家庭単位で考えれば、「家計」と同様、人生のステージごとに二酸化炭素排出量が異なる。乳幼児や高齢者が家の中で過ごす時間が長ければ冷暖房の利用が長引き、育ち盛りの子どもがいれば洗濯の量も増える。家族数が多ければ風呂やシャワーによる給湯量も増え大きな冷蔵庫も必要になる。このようなことを細かく考えていくと、生活設計の中で、環境負荷も見積もることができる。予め環境負荷が見積もれれば、環境にとっても家計にとっても最も効率のよい生活設計をすることができるようになる。
例えば、冷蔵庫やエアコン、給湯器などで、容量や能力の低い機器を目一杯使用している場合と、余裕をもって使用している場合とでは、後者の方がエネルギー使用量が少なくて済み、それはエネルギー・コストの低減にもつながる。余裕のある機器を購入するために余分にコストがかかったとしても、そのコストは回収できるといわれている。また、逆に、家族数やライフスタイルの変化により、必要以上の容量・能力のある機器を使用することになった場合には、やはりエネルギーもコストも効率が悪い。このような時には再度機器の買い換えをする。家族の変化サイクルと機器の寿命がうまく一致していればそれに越したことはないが、買い換えまでの間には機器の省エネ技術も確実に進むので、専門家の意見を聞きながら、予め支出の計画をしておくことも重要である。
このようなことを、環境省が選んだ「第3期環境ビジネスウィメン」であるロハス・ビジネス・アライアンス共同代表の大和田順子さん、環境エネルギー総合研究所代表の大庭みゆきさんのお二人と話し合った。家庭でのエネルギー消費を具体的に計測し、住宅設備をはじめとする様々な省エネ提案を行っている大庭さんの持論は、「家庭の役割からエネルギー消費を考えると、家族の団欒や憩い、癒しという家庭本来の役割とエネルギー消費は大きく関係する。このため、家庭の省エネルギー推進に当たっては、それら家庭の役割を阻害しない省エネルギー対策が生活に定着しやすい。」である。意識し、ある時は快適な生活を我慢して節約に努める日々の省エネと比べると、長期的な視点の省エネは心理的な負担が小さく定着が見込めるという。
家庭でつける家計簿に対して環境家計簿があるように、生活設計には「環境生活設計」があってもよいのではないだろうか。生活設計のプロであるFPが、環境の知識を持って活動したら、家計の負荷の軽減とともに環境負荷の軽減も可能な夢のようなWエコが実現できる。大庭さんのいうとおり、当然それは、無理のないWエコでもある。
栗林 敦子
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