2008年12月26日

知的障がい者の経済的自立を目指す取組 -障がい者が売れる商品を生み出すためのケーススタディ-

  岸田 宏司

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平成18年から施行された障害者自立支援法は、障がい者種別毎に分けられていたサービスを一体化するとともに障がい者が地域で生活することを支援することを目的としている。また、障がい者程度区分やサービスを利用した際の応益負担などが新たに取り入れられた。障がい者への新たな負担については各方面で議論となっているものの更正施設などで長期に暮らす障がい者を地域で自立して暮らせるように支援体制が作られたことは、障がい者福祉のあり方に大きな転換をもたらした。
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障がい者が地域で自立して暮らすためには、生活を支えるサービスの充実と経済的な生活基盤作りが不可欠である。障がい者の生活費は障害基礎年金が原資となるが、自立した生活をする上では十分とは言えない。就労による収入が加われば、自立のための介護給付の利用の選択肢も広がり、自立のための基盤が整う。しかし、障がい者の就労は容易ではない。民間企業に課せられた法定雇用率は未だに達成されていない。
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障がい者の就労が進まない背景に障がい者と仕事との関係に不整合がある。仕事が障がい者に合っていないことが多いのである。ある障がい者施設では、障がい者の状態に合わせて仕事構築するという取り組みで重度の障がい者が働ける環境を作っている。また、障がい者の仕事は下請け仕事が主流であり、高付加価値商品を生み出すための自主事業の取り組みは積極的に行われているものの十分な成果がまだ上がっていない。就労は障がい者の経済的自立に加え、精神的な自立、潜在的な可能性の発見につながるものである。小地域、小集団で障がい者の就労に取り組んだ事例から、就労困難と言われる知的障がい者、精神障がい者の就労を実現する方策が見えてきた。事例を紹介しながら障がい者の就労の可能を探る。

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