2008年12月04日

米ISM指数は26年ぶり低水準~価格指数急落がデフレ警戒を高める

  土肥原 晋

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■見出し

・製造業指数は36.2、非製造業指数は37.3に急落
・製造業各指数では、主要指数の下落が大きく価格指数も急低下:各指数の内訳
・非製造業各指数は全般急落、過半の指数が過去最低値を更新

■introduction

企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、11月製造業指数(PMI)が36.2と低下、急速な落ち込みを見せた前月(38.9)や市場予想値(37.0)を下回り、5ヵ月連続の低下、製造業の拡大・縮小の分かれ目とされる50を4ヵ月連続で下回った。同水準は1982年5月(35.5)以来26年ぶりの低水準となる。製造業指数が、ストック調整で製造業への打撃が特に大きかった2001年リセッション時の最低値(40.8)を連月で下回ったことにより、景気後退が製造業を取り込んだ全般的な冷え込みを強めていることを示した。発表元のISMでは、PMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は41.1であり、11月PMI(36.2)は、実質GDPの年率▲1.5%に対応するものだとしている。
一方、11月の非製造業指数(NMI:注)は37.3と10月(44.4)から▲7.1ポイントの急落、市場予想(42.0)を大きく下回り、2ヵ月連続で50を割り込んだ。また、昨年まで非製造業の景況感を示す指数とされていた事業活動指数は33.0と前月(44.2)から▲11.2ポイントの大幅低下、テロ事件直後の2001年10月(40.5)の過去最低値をも大きく下回った。
以上、11月ISM指数が見せた特徴的なことは、その下落スピードが、過去見られないほど急速なものとなったことである。これは、金融危機後の企業センチメントの冷え込みが急であったことを示すとともに、先行きの景気悪化の深さを予兆するものとして、市場の警戒を強めている。もう一つは価格指数の急速な低下で、デフレ懸念を強めたことである。価格低下は需要の弱さの裏返しであり、企業はそれに応じて供給を絞るため、設備投資の抑制や雇用減等に繋がり、デフレスパイラルに陥りやすい。
11月ISM指数を見ると、まさに“フリーフォール”の状態を呈し、下げの加速が市場の警戒を一段と強めた形である。ISM製造業指数発表当日(12/1)のNYダウ30種は、英国や中国で同様の指数が下落したことによる世界同時的な景気冷え込み懸念や、NBERの景気後退判定もあって下げ足を強め、680ドル安と史上4番目の下落幅を記録している。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、本年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成されている。)

土肥原 晋

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