2008年10月23日

貿易統計08年9月~貿易収支(季節調整値)は2ヵ月連続の赤字

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・貿易収支(季節調整値)は2ヵ月連続の赤字
・アジア向け輸出が急減速
・7-9月期の外需寄与度はほぼゼロに

■introduction

財務省が10月23日に公表した貿易統計によると、9月の貿易黒字は951億円となり、8月の▲3,276億円の赤字から黒字に転換した。しかし、前年比では▲94.1%の大幅減少となり、黒字額は市場予想(ロイター集計:6,000億円、当社予想は4,354億円)を大きく下回った。また、季節調整済の貿易収支は▲330億円と、2ヵ月連続で赤字となった。
輸出価格は前年比3.3%(8月:同3.6%)と3ヵ月連続で上昇したが、輸出数量が前年比▲1.7%(8月:同▲3.2%)と2ヵ月連続のマイナスとなったため、輸出金額は前年比1.5%(8月:同0.3%)の低い伸びにとどまった。
原油価格の下落に伴い輸入価格は前年比22.3%(8月:同24.5%)と伸びが若干鈍化したが、輸入数量が前年比5.3%(8月:同▲5.7%)と3ヵ月ぶりの増加となったため、輸入金額は前年比28.8%(8月:同17.3%)と伸びが大きく加速した。なお、輸入数量は比較的高い伸びとなったが、今年の9月は平日(月~金)が昨年よりも2日多く、通関日数が多かったことも影響している可能性があることには留意する必要がある。
通関(入着)ベースの原油価格は8月の1バレル=130ドル台前半から9月には120ドル台前半へと大幅に低下したが、WTI先物の価格に比べると高止まりしている。これは、通関(入着)ベースの原油価格はWTIに遅れて動く傾向があるためであるが、WTIは10月に入りさらに大きく下落しているため、入着ベースの原油価格も下落が続き、輸入価格の上昇率は一段と低下することが見込まれる。このため、現時点では貿易収支の赤字が定着するとは見ていない。
ただし、ここにきて輸出の減速が鮮明となっているため、輸出の低迷と輸入価格の上昇率低下が綱引きする形で、貿易収支は低水準で推移することが予想される。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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