2008年08月08日

8月ECB政策理事会:景気判断慎重化も中立姿勢維持

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

文字サイズ

■見出し

・景気判断慎重化、二次的影響への警戒強化、中立姿勢は変わらず
・ECBは景気減速下の政策金利据え置きで中期的な物価の安定を目指す見込み

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は7日に政策理事会を開催、5.25%での政策金利の据え置きを決めた。前回理事会以降、最大の物価押し上げ要因である原油価格は低下する一方で、サーベイ調査の悪化や貸出の鈍化傾向も明確になってきた。トリシェ総裁は景気判断を幾分慎重化したものの、原油・食糧高の二次的影響への警戒も示し、中立姿勢を維持した。
追加利上げが景気を下押しするリスクは高まったと考えられることから、ECBは、当面、景気減速下での政策金利を据え置きによって、インフレ期待の抑制と中期的な物価の安定を目指すと思われる。

Xでシェアする Facebookでシェアする

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【8月ECB政策理事会:景気判断慎重化も中立姿勢維持】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

8月ECB政策理事会:景気判断慎重化も中立姿勢維持のレポート Topへ