2008年08月08日

8月BOE金融政策委員会:景気減速感強まるも、据え置き継続

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・マイナス成長は免れたが景気の減速は明らかに
・追加利下げのタイミングを見極める材料として13日公表の雇用統計、「インフレ報告」に注目

■introduction

イングランド銀行(BOE)は6~7日に金融政策委員会(MPC)を開催、政策金利の5.0%での据え置きを決めた。据え置きの背景には、4~6月期の成長率は前期比0.2%まで減速、住宅や個人消費の指標の弱さも目立つが、CPIは目標の2%を大きく上回り、且つ、一層の上振れが見込まれることがある。
BOEは、信用収縮、マインド悪化が進む中での政策金利据え置きは、中期的な物価安定への強い意志を示すと考えている。今後は、景気後退が視野に入り、中期的(2年後)なインフレ目標達成の下振れのリスクが強まったと判断でき次第、利下げを再開するだろう。13日公表の雇用統計と今回のMPCの叩き台となった「インフレ報告」8月号のトーンに注目したい。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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