2008年03月07日

3月BOE金融政策委員会~追加利下げは見送り

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・政策金利据え置きは2月「インフレ報告」と整合的な判断
・4月様子見、5月追加利下げが濃厚

■introduction

3月5日、6日に開催されたイングランド銀行(以下、BOE)の金融政策委員会(MPC)は政策金利を5.25%で据え置いた。
先月(2月)のMPCは、ハト派のブランチフラワー委員が50bp、その他の8名の委員が25bpの利下げ票を投じ、12月に続く25bpの利下げを決めた。議論の叩き台となった2月の「インフレ報告」における「成長率の見通しの下方修正と中期的な物価の安定の維持」という見通しに沿ったものであった(図表1、図表2)。
今月の連続利下げの見送りも、インフレ報告の内容と整合的な判断である。同報告のポイントは、(1)エネルギー価格の上振れ、食品やポンド安による輸入物価の上昇による短期的な物価の上振れ幅は、前回11月号での見通し以上に大きくなるとしたこと、(2)「インフレ期待の今後の動きの不確実さ」を「信用状況のタイト化の度合い」とともに主要な政策課題としたこと、(3)市場予測(年内75bp)を前提とした場合、中期的な物価の収束点は目標の2%を上回るという見通しとなっていることだ。これらは、いずれも過度の利下げ期待を牽制するものであり、連続利下げの見送りを示唆するものであった。

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伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

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