2008年03月03日

コモディティー・バブルにも終わりはあるか

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米国におけるサブプライム問題に端を発し、世界的な株安が進行している。一方、石油や金などのコモディティー価格は、上昇が続いている。しかし、株や債券と異なり、保有しても配当や利子のつかないコモディティー価格の好調さは、説明が簡単ではない。
確かに、中国などの新興諸国における実需の高まりもあるだろうが、投資先のない資金が集まり値上がりを生じさせる「過剰流動性」が主な要因だとも言われている。
もしも、銀行のバランスシート調整により信用収縮が起こると、投機家のレバレッジ運用コストは高くなる。加えて、米国の景気後退で株が値下がりすれば、更なる値下がりを呼ぶ。投機的資金が急速に市場から逃げだし、過剰流動性相場が終焉を迎えれば、コモディティー価格も高値を維持できないはずである。
海外基金では古くからコモディティーなどに積極的に分散投資を図ってきたが、わが国でオルタナティブ(代替投資)に採用されたのは最近のことである。バブルは振り返ってみて、はじめてバブルとわかるのである。投資を開始した時が「コモディティー・バブル」だったと言われる日が、訪れなければよいのだが。

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【コモディティー・バブルにも終わりはあるか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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