2008年02月06日

2005年度県民経済計算~拡大した県民所得の地域格差

  篠原 哲

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■見出し

・実質成長率と産業構造の関係
・低下した公共投資比率
・拡大した一人当たり県民所得の地域間格差

■introduction

2月5日、内閣府より2005年度の県民経済計算が公表された。都道府県別の2005年度実質成長率(連鎖方式)は、鳥取を除く46都道府県がプラス成長となった。最も成長率が高いのは三重(6.0%)であり、他には、福井(5.9%)、長野(5.6%)、岡山(5.6%)などが相対的に高い成長となった。一方、鳥取は▲0.3%のマイナス成長となり、徳島(0.4%)、青森(0.5%)、岩手(0.7%)などは低成長にとどまった。
全県を合計した2005年度の成長率は3.0%である(国民経済計算:GDPでは2.4%) 。都道府県の成長率からは、4%を越える成長を実現した地域が11地域あるのに対して、6地域が1%以下の成長率にとどまるなど、地域間の経済成長に格差があることが見受けられる。
今回の景気回復は、2002年初からの外需の改善が製造業の生産の拡大に繋がり、設備投資・消費など国内民間需要への波及という形でもたらされた。特に、製造業のなかでもパソコン、通信機、半導体等のIT関連財や自動車などに代表される、一般機械、電気機械、輸送用機械、精密機械などのいわゆる輸出型の「機械産業」は、今回の景気回復を牽引してきた代表的な業種と言える。都道府県間での成長率に格差が生じた要因のひとつには、機械産業を中心とする地域間の産業構造の差異が考えられる。
実際に、47都道府県のデータを用いて、横軸に「2002年度~2005年度の機械産業の域内総生産比の平均値」を、縦軸には「2002年度~2005年度の実質平均経済成長率」をとり、両者の関係をプロットしてみると、今回の回復局面においては、機械産業のウェイトが高い地域ほど、経済成長率も高くなるという右上がりの関係が見られる。
景気の回復を牽引してきた機械産業のウェイトの差異が、地域間の成長力に格差をもたらしている可能性がある。

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