2008年02月01日

公的年金ファンドの運用規模は

このレポートの関連カテゴリ

文字サイズ

昨年後半、内外株式市場の話題をさらったのが政府系ファンド(Sovereign Wealth Fund、SWF)の台頭である。特にアジアや中東のSWF による欧米の有力金融機関へ出資が相次いで報じられた。SWF は純粋な年金基金ではない。しかし、日本の公的年金運用の資産運用規模の問題に1つの示唆を与えている。
これらのファンドの運用資産は総額300兆円に及ぶ。とはいえ、個別にはアブダビ投資庁の推計100兆円は別として、ノルウェー政府年金ファンドなど多くのSWF が30~40 兆円規模である。
オランダのABP、アメリカのカルパースなど年金基金にも30兆円前後を、リスク資産を含めたポートフォリオに積極的に配分・運用し実績をあげている例がある。一方、日本の年金積立金管理運用独立行政法人の運用資産は120兆円あり、一元化後には公的年金積立金が計200 兆円を超えるという。確かに120~200兆円規模の資金になるとマーケットへのインパクトが大きく、市場運用するのが決して容易でないだろう。ガバナンスと運用体制の整備を大前提とした上で、グローバルな市場で効率的なポートフォリオ運用を手がける基金の規模としては30~40兆円が上限の1つの目安になるのかもしれない。

Xでシェアする Facebookでシェアする

このレポートの関連カテゴリ

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【公的年金ファンドの運用規模は】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

公的年金ファンドの運用規模はのレポート Topへ