2007年12月07日

金融政策・市場の動き(12月)~円高には介入しかないが、、

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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  1. (トピックス)過去円ドルレート100円前半水準では、ほぼ円売介入が実施されてきた。現時点で介入実施となれば、円は他通貨ほどドル安が進んでいないため、各国からの批判は免れ得ない。ただ、足元ユーロでも自国通貨高に対するトーンの変化も伺われ、各国の自国通貨高に対する見方がどう変わってくるのか注目だ。
  2. (金融政策)サブプライムローン問題の影響拡大とともに、国内景気の下振れリスクが増大している。最近の審議委員の講演でも、賃金の伸び悩み、中小企業の弱さへの言及が目立ち、慎重なトーンになってきている。12月短観が悪化となると、利上げ時期の予想もさらに後づれすることになるだろう。
  3. (長期金利)サブプライムローン問題の影響拡大から先行き不透明感が強い中、米FRBの利下げ、日銀の利上げ見送り観測から、当面長期金利の上昇の可能性は少ない。
  4. (為替)米国経済の下振れリスク、米FRBの利下げ観測などからドル安圧力は強い。10-12月以降米国経済はさらに減速の色合いを強める見込みで、春先にかけてもう一段円高が加速するリスクが高い状況にある。
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総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

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