2007年11月30日

2008年度税制改正と来年度の家計の負担

篠原 哲

文字サイズ

  1. 2008年度税制改正において検討される項目のなかで、家計への影響が大きいものとしては、証券税制の軽減税率の存続に関する問題が挙げられる。
  2. 証券税制の軽減税率については、譲渡益は08年末、配当は09年3月末で期限切れになる。しかし、サブプライムローン問題により、金融市場の混乱が懸念されている現在の状況下で、制度の廃止を決定するのは、やや難しいと考えられる。
  3. 2007・08年度に実施が決定している制度改正だけに限っても、それによる家計の負担増は、2007年度で約1.5兆円、2008年度は約1.3兆円(いずれも労使合計)と試算される。所得の伸びが低迷するなかでは、決して軽視できない規模であると考えられる。
  4. 今後も、所得の伸びが低迷していく状況が続けば、家計の負担は2008年前半にかけて重くなっていくため、消費を大きく低迷させる原因となる可能性もでてくるだろう。このような、制度改正による負担増の影響も、今後の景気や消費を停滞させるリスク要因として、注視しておく必要がある。
37365_ext_15_1.jpg
Xでシェアする Facebookでシェアする

篠原 哲

研究・専門分野

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【2008年度税制改正と来年度の家計の負担】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

2008年度税制改正と来年度の家計の負担のレポート Topへ