- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 米国経済 >
- 米10月末FOMCは、0.25%の利下げを決定
■見出し
・利下げは、金融市場混乱の波及防止策と位置付け
・FOMC声明文のポイント~インフレ圧力再燃を警戒
・リスクバランスの中立表明により、利下げに打止め感、当面様子見へ
■introduction
10/30・31開催のFOMC(米連銀:連邦公開市場委員会)では、4.75%のFF目標金利を0.25%引下げ、4.5%とすることを決定した。FF目標金利は、前回9/18FOMCでの0.5%引下げに続き今次2回目の利下げで、合計0.75%の引き下げとなる。なお、前回の利下げは、昨年6月の利上げを最後に据え置かれていた5.25%から1年余ぶりの金利変更となったが、利下げ自体は、2003年6月以来4年3ヵ月ぶりで、昨年2月就任のバーナンキ議長にとっては初めての利下げだった(図表1)。
FRBは、住宅市場の悪化が米国経済に及す影響を重視しており、同日に発表された7-9月期実質GDPが2四半期連続で4%弱と堅調だったものの、今後の景気減速見通しや金融・信用市場への配慮から利下げを実施した形だ。
FOMC後に発表された声明文では、今回の利下げは、金融市場の混乱による経済への影響を未然に防ぎ、今後の成長を促進するためのもので、これまで取られた一連の政策の一環であるとしている。8月に生じたサブプライム問題の拡大で、大手金融機関等でのサブプライム関連の損失が相次いで発表されるなど、金融市場の混乱がいまだに尾を引き、また信用不安が解消されていないこと等が利下げの要因となっている。
なお、FOMCの資料とされる10/17公表のベージュブックでは、「景気は拡大しているものの、8月より減速した」として、景気認識を下方修正し、特に、住宅関連産業等については「ほとんどの地区で住宅価格、販売、建設面で一層の下落が報告された。また、金融機関の融資の質がやや低下し、不動産関係を中心に多くの地域で貸し出し基準が引き締められた」としている。半面、雇用に関しては、雇用増のペースが緩和した地域があるとしながらも、「ほとんどの地区で多くの職種が雇用不足を生じ、経済活動に支障が生じているところもある」とし、強めの雇用状況の評価と、賃金とエネルギー・原材料の両面からの物価上昇圧力の高まりを指摘する一方、実際に売値に転嫁されたものはなお限定的としていた。
このレポートの関連カテゴリ
土肥原 晋
研究・専門分野
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月19日
年金将来見通しの経済前提は、内閣府3シナリオにゼロ成長を追加-2024年夏に公表される将来見通しへの影響 -
2024年04月19日
パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割 -
2024年04月19日
消費者物価(全国24年3月)-コアCPIは24年度半ばまで2%台後半の伸びが続く見通し -
2024年04月19日
ふるさと納税のデフォルト使途-ふるさと納税の使途は誰が選択しているのか? -
2024年04月18日
サイレントマジョリティ⇒MAGAで熱狂-米国大統領選挙でリベラルの逆サイレントマジョリティはあるか-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【米10月末FOMCは、0.25%の利下げを決定】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
米10月末FOMCは、0.25%の利下げを決定のレポート Topへ